新築の注文住宅にスキップフロアを取り入れるメリット・デメリット!
新築の注文住宅を設計していくなかで、おしゃれな空間の演出やスペースの確保をしたい場合にスキップフロアを検討する人も多いかもしれません。今回は新築の注文住宅にスキップフロアを取り入れるメリット・デメリットについて解説します。あわせてスキップフロアを取り入れる際の注意点についても紹介するので、参考にしてください。
そもそも“スキップフロア”とは?
家の間取りにおいて、半階層ずらして中2階や中3階を設けることをスキップフロアです。広々とした空間を演出し、スペースを有効活用できるといった特徴があるため、注目を集めています。
新築の注文住宅にスキップフロアを取り入れるメリット
まずはメリットについて見ていきましょう。
■床面積が広くなる
新築の注文住宅にスキップフロアを導入することによって、使える床面積が広くなることが大きな利点になります。また、スキップフロアと部屋の間に壁などの遮るものがなくなるため、開放的な空間を演出できるのがメリットです。部屋の開放感を演出する方法として、吹き抜けを設ける方法がありますが、床面積が狭くなってしまうという欠点があります。スキップフロアを導入すれば、開放的な空間と床面積の拡大を両立できます。
■スペースの有効活用
子どもを遊ばせるキッズスペースや書斎、セカンドリビングをスキップフロアによって設けられるため、スペースを有効活用できるでしょう。また収納場所も確保できるため、収納家具を減らせるというメリットがあります。同じ土地面積でもスキップフロアの有無によってスペースに余裕が生まれるため、作れる部屋数も変わってきます。土地面積が狭い場合でもスキップフロアを活用することで、理想の間取りに近づくかもしれません。
■家族間の距離が縮まる
一般的な間取りでは部屋が仕切られているため、リビングにいない家族とは必然的に遮断されてしまいます。リビングとは別にテレビを楽しめる空間や書斎などのスキップフロアを設けることで、別々の部屋にいながらも仕切りがないため、家族間の距離が縮まります。コミュニケーションが取りやすく、家族円満によい効果をもたらすでしょう。
新築の注文住宅にスキップフロアを取り入れるデメリット
スキップフロアには多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
■費用が高額となる
スキップフロアを設ける場合は通常の注文住宅の間取りと比べて、設計の難易度が高いことから建築費用が高額となってしまいます。設計の難しいスキップフロアの設置には高い技術力も求められるため、対応できる住宅メーカーも限られてしまうのです。通常の間取りと比べると住宅メーカーの選択肢も狭まってしまうため、価格比較も難しくなるでしょう。また3階建てよりも建築費が抑えられる一方で、床面積が増えてしまうので固定資産税が高くなるというデメリットもあります。
■空調の効きが悪くなる
スキップフロアの導入によって空間が広くなる分、空調の効きが悪くなるというデメリットがあります。縦と横に広い空間ができてしまうので、空調が行き渡るまでに時間を要してしまい、電気代のアップにもつながるでしょう。
■バリアフリーでない
スキップフロアを設けることで段差や階段が必要となりますが、お年寄りや小さな子どもがいる場合は転倒や落下の危険性が高まってしまいます。スキップフロアはバリアフリーには適していないことも、デメリットの一つとなってしまいます。
■プライバシーが保たれない
スキップフロアは壁などの仕切りがないため、家族間の距離が縮まるというメリットがありますが、プライバシーな空間が確保できないというデメリットもあるのです。たとえば、スキップフロアで書斎を取り入れてみたものの、開放的であることで静かに作業ができないということがあります。
新築の注文住宅にスキップフロアを取り入れる際の注意点
スキップフロアを取り入れるうえで注意するべきポイントについて解説します。
■高気密・高断熱性能の住宅とする
スキップフロア導入のデメリットとなる空調の効きが悪くなる対策として、高気密・高断熱性能の住宅にする必要があるのです。空調での室内温度の調整が難しくなるため、快適に過ごすためには高気密・高断熱とすることをおすすめします。
■小さな子どもやお年寄りがいる場合は要検討
スキップフロアは段差や階段が多いため、検討段階でお年寄りや小さな子どもがいる場合はスキップフロアの導入を見送ることも考えなければなりません。しかしながら、間取りを工夫することで安全性を保ったうえで導入できる可能性もあるため、設計側と調整が必要となります。
■入念に計画する
スキップフロアはただ単に取り入れればよいというわけではないので、取り入れる目的や用途を入念に計画しておきましょう。想像と違うスキップフロアの仕上がりに後悔する人も少なくありません。どのように活用するのかを明確にしたうえで計画を立てましょう。
今回は新築の注文住宅にスキップフロアを取り入れるメリット・デメリットについて解説しました。スキップフロアを取り入れることで使える床面積が広くなり、スペースの有効活用ができるというメリットがあります。また家族間の距離が縮まるという点も魅力の一つです。一方でスキップフロアの設置は費用が高額となり、バリアフリーでないことや空調の効きが悪くなるというデメリットがあります。スキップフロアを取り入れる際は高気密・高断熱の住宅にすることに注意し、お年寄りや小さな子どもがいる場合は導入について、慎重に考えることをおすすめします。